カリフォルニア州施行規程抜粋(騎手に関連するもの)

1.レース前

第1680条 騎手の報告義務

(a) 競走で騎乗する全ての騎手は、裁決委員によって免除されている場合を除き、第1競走の発走時刻の1時間前までにジョッキールームに入室しなければならない。全ての騎手は、指定された時間に前検量を受けなければならない。入室後、騎手は、裁決委員によって早く退室することを認められた場合を除き、その日の自分の騎乗契約が全て終了するまで、競走での騎乗中以外はジョッキールームを離れてはならない。

 

第1926条 ジョッキールームへの立ち入り制限

 第1レース発走の1時間前から最終レースまで、裁決委員から特別に許可を得た者(騎手、競馬場関係者、バレット等)以外のジョッキールームへの立ち入りを禁ずる。

 

2. レース時

第1682条 前検量

競走に参加する全ての騎手は、発走時刻の1時間前までに、検量委員による前検量を受けなければならない。1ポンドを超える超過重量は騎手から検量委員に申告されなければならず、検量委員は超過重量及び騎手の変更が直ちに掲示され、場内アナウンス設備で発表されるようにしなければならない。

 

第1683条 負担重量超過の上限

 いかなる馬も、馬主、その代理人又は代表者の同意がない限り、2ポンドを超える超過重量を負担してはならず、いかなる競走でも5ポンドを超える超過重量を負担してはならない。

 

第1684条 負担重量に含まれるもの

 騎手の重量は騎手の着用物(服色、ジョッキーパンツ、長靴)、鞍、鉛パッドを含む。ヘルメット、保護ベスト、鞭、頭絡は含まない。

 

第1685条 装具の要件

(a) 頭絡は重さ2ポンドを超えてはならない。

 

第1686条 重量の責任

 競走のために検量委員によって騎手の前検量が行われた後、馬に乗せる重量には調教師と馬主が責任を負う。調教師又は馬主は、騎乗契約をした騎手が重量について2ポンド以上超過していると報告したならば、騎手を交替させることができる。

 

第1693条 馬場に入る馬と騎手の統制

 馬は、馬場に入場したときから出走するまで、発走委員の統制下に置かれる。馬場又はレースコースに入場した後、馬はそれ以上付添人の世話を受けることはできない。ただし、事故が発生した場合には、発走委員は騎手が馬を降りること、及び発走が遅れている間馬が世話を受けることを許可することができる。それ以外には、騎手は、競走の終了まで馬を降りることはできない。馬は騎手によって発走させられなければならないが、発走委員の許可があれば、発走助手によってゲートの位置まで導いてもらうことができる。発走委員の許可があれば、発走助手は、静止しない馬を扱うためにゲートに入ることができる。発走助手は、故意であるか否かを問わず、公正な出走を妨げてはならない。

 

第1699条 レース中の騎乗ルール

競走の間、

(a) 馬は他の馬を妨害してはならない。妨害とは、他の馬にぶつかり、邪魔をし、押しやり、押出し、押入れ、又は他の馬に歩幅を詰めさせ、大回りをさせ、勢い若しくは着順を失わせることと定義される。

(b) 他の馬を第(a)項に定義するように妨害した馬は、裁決委員の意見により、被害馬に落ち度がなく、その妨害により、被害馬がより良い着順を得る機会が失われたと判断されるならば、失格となること、及び妨害された馬の後に降着となることがある

(c) 騎手は、不注意で、又は故意に、自分の馬が他の馬を妨害するように騎乗してはならない。

(d) 騎手は、他の馬又は騎手を妨害し、脅し、又は傷つけるように故意にぶつかってはならない。

(e) 騎手が本第1699条に反する騎乗をした場合、当該騎手の騎乗馬が失格となること、及び騎手が裁決委員より騎乗停止又はその他の制裁を受けることがある。

(f) 本第1699条に反する騎乗をした騎手を騎乗停止にする場合、裁決委員は最低2日間の騎乗停止を科すものとし、(1)連続する暦日60日の期間中に騎手が2回以上本第第1699条に違反した場合又は(2)裁決委員の意見により、他の馬や騎手の安全を脅かす違反と判断された場合には、2日間を超える騎乗停止を科すものとする。

 

第1700条 競走後に戻ってきた時

騎手は、競走後、馬を決勝位置に戻さなければならず、戻ったとき、裁決委員に敬礼をし、裁決委員又はその委任を受けた者に下馬の許可を受けなければならない。騎手は、下馬の後すぐに、装具を身につけたまま後検量を受けなければならない。表彰式又はその他の承認された特別活動が裁決委員又はその他の開催執務委員の監督下にあるならば、裁決委員は騎手と馬に対し、表彰式又は特別活動に参加することを認めることができる。

 

第1701条 後検量

全ての騎手は、入線後に後検量を受けなければならず、負担重量について1ポンド以上不足、または2ポンド以上超過してはならない。ただし、裁決委員が雨又は泥による超過重量を考慮に入れる場合はこの限りでない。裁決委員は、重量が負担重量について1ポンド以上不足した騎手の馬を失格とすることができ、それに責任を負う人に制裁を科さなければならない。

 

第1702条 走行妨害やその他の違反行為の申告

 馬の騎手、調教師又は馬主であり、自分の馬が競走中に妨害を受けたと考える合理的な根拠を持つ者、又は競走中に他の騎手若しくは馬が騎乗規則に違反したと考える合理的な根拠を持つ者は、直ちに着順確定の前に検量係員、裁決委員又はその委任を受けた者に対し、妨害又は反則の主張をすることができる。裁決委員は当該主張に基づき、その競走について審議を行うことができる。いかなる者も、妨害又は反則の主張が不正確、虚偽又は事実と異なることを知っていながら主張を行ってはならない。

 

第1703条 後検量の省略

 騎手が事故、負傷又はその他の正当な理由のために後検量を受けることができない場合には、裁決委員は当該騎手の後検量を免除することができる。

 

3. その他関連事項

 

第1500条1項 騎手の薬物検査

(a) 騎手の安全や競馬の公正確保のために、抜き打ちで薬物検査を行うことがある。

委員会の所定の場所での検査を拒んだ場合は、検査拒否と見做し、検査を行い陰性となるまでの間、騎乗を許可しない。

(1) 検査実施日に騎乗予定のある騎手は検査の対象となり、レース前またはレース後に検査を受けることとなる。

(2) 検査対象騎手の選定にはジョッキーズギルドの代表者が立ち会う。

(3) 5ヶ月間の競馬開催においては、期間中最低1回抜き打ち検査が実施される。

(4) 開催が6ヶ月以上にわたる場合には、少なくとも2回は抜き打ち検査が実施となる。

(b) 採取された検体は2つに分割される。1つは本検体として委員会所定の検査場で検査される。もう片方の検体は、騎手からの要請により確認検査用として、別の検査場で検査されるためのものである。

 (2) 検査については以下の薬物について実施される。

(A)マリファナ

(B)コカイン

(C)アンフェタミン

(D)オピオイド

(E)フェンサイクリジン

 

第1691条 服色、広告等

(a) 騎手は騎乗馬の馬主の服色を正しく着用し、また定められた馬番を表示したゼッケンを明示する必要がある。

(b) ロゴなどの広告は、騎手の着用するもの、馬主の服色、または馬番ゼッケンなどに用いることは可能である。

(c) 競走中に用いる予定の広告のデザイン等についてはレース前に裁決委員の許可を得ておく必要がある。

(d) 広告は次に掲げるものに限られる。

(1) ジョッキーパンツの上腿部に用いるものであれば外側に最大32平方インチ(206平方センチメーター)までとする。またパンツの腰の部分であれば10平方インチ(64平方センチメーター)までのものに限る。

(2) 下腿部に用いる場合は、ブーツの直上外側に最大24平方インチ(154平方センチメーター)迄のものまでとする。

(3) クビ周りに用いる場合は、前面中央で最大6平方インチ(38平方センチメーター)までとする。